シーズンオフになると、野球のニュースで増えるのが契約更改や移籍のお話。
日本人選手がメジャー挑戦をする機会も増え、その度に大きな金額が動いていきます。
メジャーリーガーの年俸は日本プロ野球に比べ遥かに高額ですが、その理由はナニ?放映権料との関連性はあるのでしょうか?
【メジャーリーグの年俸は夢のある金額】
メジャーリーグは日本人の野球選手にとって夢の舞台です。日本で経験を積んでいずれはアメリカに、と考える選手は決して少なくありません。
現在エンゼルスで活躍している大谷翔平選手に至っては、日本プロ野球界ではなく真っ先にメジャー入団を目指していました(周囲の説得により、日本プロ野球を経験してのメジャー挑戦となりましたが)。
日本とアメリカの野球には多くの違いがありますが、年俸は桁から、ひどい場合では単位が変わることもあります。
たとえば、現在シアトル・マリナーズで活躍するイチロー選手の年俸を比較してみましょう。
日本プロ野球界での最高年俸は、2000年の5億3000万円でした(推定)。
そこからメジャーリーグに飛び込み、着実に実績を積み上げ、メジャー歴代シーズン最高安打となる257安打を記録します。
2018年現在の最高年俸は推定18億円と言われています。日本にいた頃の三倍以上の金額に跳ねあがっています。
このように、メジャーの年俸は大きな単位でお金が動く、ある意味で夢の詰まった金額設定がされているのです。
【メジャーリーグの年俸が高い理由とは】
では、何故メジャーリーグでは年俸が高く設定されているのでしょうか?
日本では高卒ルーキーなど、時間をかけて育てていく選手に対し数百万円の年俸にとどめていることはしばしば。億単位のスター選手が生まれても十数億の選手がゴロゴロいるわけではありません。
しかしMLBには最低保証金額が設定されており、選手は最低でも約6000万円が年俸として支給されます。
大谷翔平の年俸推移!金額は安いの?メジャーもエンゼルスから見ていくよ(2018年版)
メジャーにおいて年俸が高く設定される理由はどこにあるのでしょう?その理由は意外とシンプルです。
高い年俸を設定するのは、他球団に選手を引き抜かれないようにするためです。
選手がチーム選びをする際重視するものは複数ありますが、待遇面が悪いチームに長居したくないと思うのは当然でしょう。社会人だってよりよい待遇を求めて転職します。
メジャーも一緒で、優秀な選手が他のチームに移籍しようと考えないように、高額な金額を提示して残留するよう働きかけているんですね。
しかし、その理由はスカウト対策だけではないようです。
【放映権料の影響は無視できない】
MLBには放映権料があります。この放映権料が非常に高騰しており、MLBの主な収入源となっているのです。
放映権料が高騰している背景には、選手の年俸が高くなってきていることが一因になります。
放映権料は高騰していて、それは年俸が吊り上がっているからだ、というとそこにどんな繋がりが? と思う方もいらっしゃるでしょう。
MLBは各球団のチケット代、グッズ代、そして放映権料を集約し、各球団に均等に分配しています。
これによってどの球団にも一定額が保証されますし、そこそこ大きな金額を動かすことが出来ます。
たとえ観客動員数が少ないチームであっても、放映権料を元にする分配金によって大型補充ができる、というわけです。
高額な年俸を支払えるのは、独自の分配システムが機能しているからなんですね。
【まとめ】
メジャーの年俸をロマンだ、と感じる人もいるかと思います。
しかし実態は夢を見せるために年俸を吊り上げているわけではなく、単純に選手を放出しない方策だったんですね。
お金ですべてが解決するとは言いませんが、金銭面で解消できる課題は多く存在します。
野球選手は子供たちに夢を与える職業であり、自分が生きるための大切な仕事です。
高額な年俸を維持するために放映権料を高く設定しているMLBも、メジャーリーグを運営するために知恵を絞っているということでしょう。
※参考サイト
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO80318330Q4A131C1000000/
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