サッカー界では、大物選手の入団が取り沙汰されると「移籍金○億!」「年俸推定○億円!」といった文字を見ることが増えますよね。
今更だけど移籍金と年俸って何が違うの? ちょっと聞きにくい移籍金と年俸の違いについておさらいしておきましょう。
【移籍金とはどういうお金?受け取るのは誰?】
移籍金というと聞こえはいいですが、その本質は一言で言うと実は「違約金」です。違約金を調べてみると、次のような意味があります。
契約で定めた義務を履行できなくなったり、履行が遅れたりした場合に、相手方に支払うことをあらかじめ約束した金額をいう。
引用元:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
具体例で見ていきます。
仮に、とある選手とAというクラブの契約が2018年6月末までだとしましょう。その契約期間内にBというクラブに移籍するとなると、それはAとの「契約違反」ということになります。
契約期間まではAに所属するはずだったのですから当然ですね。
その場合、契約違反をしたぶん支払う金額が移籍金ないし違約金なのです。
移籍金は「選手を獲得するためにAとBのクラブ間で違約金を払う形で合意した契約」という道筋を通っていますので、支払うのはBからAに対してになります。
選手がクラブとの契約を破棄するリスクへの支払いですから、移籍金が選手に支払われることはありません。
端的にまとめると、選手を契約中に引き抜くにあたり、新クラブから旧クラブに対して支払われるお金です。
【年俸についても念のため】
移籍金はクラブ間で支払われるものだとわかりました。では年俸はどんなお金でしょう?
辞書で調べると、「年俸」にはこんな意味が。
年間単位で個人の仕事実績、企業貢献度に基づき、社員個人への支払総額を決めようとする制度で、年1回の契約更改で目標設定およびその達成度に応じた支払い額を決める。
引用元:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
年俸は一年間で支払われる報酬のことを指しますが、契約時にその報酬金額を先に決定してしまいます。
「あなたの今年の年俸は○万円です」といった具合ですね。
それを一括で支払うのではなく、給与のように何等分かにわけて支払っていきます。12等分して毎月一定額を支払うパターンが多いでしょうか。
結局毎月支払われるなら年収と何が違うの?と思うかもしれません。
年収は「一年間の収入の合計金額」であり、年俸は「契約ですでに一年間の報酬金額が決まっている」という点で異なります。
毎月の金額を足し算していった結果が年収で、ひとつの契約で定められた金額のことが年俸なのです。
年俸制のメリットは自分の実績が金額に如実に反映されることです。
サッカー選手の契約更改を見ていて感じるかもしれませんが、昨年大活躍した選手の年俸が急増するパターンを知っていると思います。
逆もまたしかりですが、自分の実力や結果がそのまま報酬になって返ってくる感覚でしょう。
【移籍金と年俸の違いは】
ということで、移籍金と年俸の違いをまとめてみました。
・年俸は「選手に支払われるお金」で、クラブから支払われる給料
といったところでしょうか。
ちなみに、国際移籍の場合には連帯貢献金というシステムが存在します。
移籍金を支払うのはAとB間での約定ですが、例外的にその選手を育成したクラブにも移籍金の5%を支払うというものです。
たとえば、とある選手が日本のクラブAから海外のクラブBに移籍する場合、BからAに移籍金を支払うだけではなく、選手が12-23歳まで間在籍したクラブCにも移籍金を一部支払う、といった具合です。
【まとめ】
移籍金の話はサッカーではシーズン中に頻繁に聞く単語であり、巨額が動く現実に驚くことも少なくありません。
しかしそのお金はクラブ間で支払われるものであって、選手本人に入ってくるのはお給料である年俸、という内訳だったんですね。
移籍金と年俸が「どこに支払われるお金か」を理解したことで、サッカーのニュースもよりわかりやすくなったかも!?
最近ですとスペイン代表のイニエスタ選手がヴィッセル神戸への電撃移籍が報道されています。移籍金と年俸の違いを踏まえてニュースを見返してみると、新たな発見があるかもしれません。
※参考
http://www.fifa.com/mm/document/affederation/administration/regulations%5fon%5fthe%5fstatus%5fand%5ftransfer%5fof%5fplayers%5fen%5f33410.pdf
http://www.jfa.jp/documents/
https://mainichi.jp/articles/20131111/mul/00m/020/026000c
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